KiCadのプロジェクトを他のコンピュータで使用出来るようにする

作成したプロジェクトを別のPCで使おうとしたら、ライブラリのリンクが切れたりして、困ったって話です。

KiCADのライブラリの種類は3つ

KICadのライブラリ(KiCadで使用するシンボルやフットプリントの登録データを保存するフォルダ)は以下の3種類あります。

 ・Eeschema コンポーネント・ライブラリ … シンボル用ライブラリ
 ・Pcbnew フットプリント・ライブラリ … フットプリント用ライブラリ
 ・3Dシェイプ・ライブラリ … フットプリントの定義で使用される3Dデータ用ライブラリ

デフォルトの設定ではKiCadを使用すると上記のパスがKiCad自身で内部に設定されてライブラリのフォルダが作成されシンボルやフットプリントのデータが保存されます。


そのため、作成したプロジェクトを別のコンピュータに持って行って使用する場合には、ライブラリに保存されたシンボルやフットプリントのデータは移動していないため、そのままでは使用できません。


ライブラリをそのプロジェクトのメインフォルダに作成することで、他のコンピュータで簡単に使用出来るようになります。


以下にその手順を説明します。

プロジェクトのメインフォルダに作成する手順に作成する手順を説明します。

1.ライブラリ用フォルダ作成

プロジェクトフォルダ内に3種類のライブラリ用フォルダ(シンボル、フットプリント、3D)を作成します。

2.シンボル用ライブラリデータ作成

元のプロジェクトからシンボル用ライブラリデータをエクスポートしてプロジェクトフォルダ内にシンボル用ライブラリを以下の方法で作成します。

①回路図レイアウトエディタ(Eeschema)でエクスポートするシンボルを選択して、右クリック – “プロパティ” – “コンポーネントライブラリエディタで編集”を選択します。
  ⇒ シンボルエディタが起動します。

②シンボルエディタでメニューバーの “ファイル(F)” – “シンボルをエクスポート(E)”を選択します。

 ③”シンボルをエクスポート”が表示されます。
  ⇒ プロジェクトフォルダ内に作成したシンボル用ライブラリフォルダに保存します。
  ⇒ ライブラリーテーブルへ追加で”プロジェクト”を選択して”追加”をクリックします。
  ⇒ シンボルがエクスポートされます。

④ ①から③を繰り返して全てのシンボルを登録します。

3.フットプリント用ライブラリデータ作成

元のプロジェクトからフットプリント用ライブラリデータをエクスポートしてプロジェクトフォルダ内にフットプリント用ライブラリを以下の方法で作成します。

①PCBレイアウトエディタ(Pcbnew)でエクスポートするフットプリントを選択して、右クリック – “プロパティ” を選択します。
  ⇒ フットプリントのプロパティが表示されます。

 ②フットプリントのプロパティの”フットプリントライブラリを編集”を選択します。
  ⇒ フットプリントのプロパティが表示されます。

③フットプリントエディタでメニューバーの “ファイル(F)” – “フットプリントをエクスポート(E)”を選択します。

④フットプリントをエクスポートが表示されます。
⇒ プロジェクトフォルダ内に作成したフットプリント用ライブラリフォルダに保存します。
⇒ フットプリントがエクスポートされます。

⑤ ①から④を繰り返して全てのフットプリントを登録します。

4.3Dデータ用ライブラリデータ作成

元のプロジェクトから3Dデータ用ライブラリデータをコピーしてプロジェクトフォルダ内に3Dデータ用ライブラリを以下の方法で作成します。

①PCBレイアウトエディタ(Pcbnew)で3Dデータをコピーするフットプリントを選択して、右クリック – “プロパティ” を選択します。
  ⇒ フットプリントのプロパティが表示されます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 05-1024x786.jpg

 ②フットプリントのプロパティの”3D設定”タブを選択します。
  ⇒ 3D設定が表示されます。
  ⇒ 3Dデータが登録されているフォルダのパスが表示されます。

 ③3Dデータが登録されているフォルダから3Dデータのファイルをコピーして
  プロジェクトフォルダ内に作成した3Dデータ用ライブラリフォルダに保存します。

④ ①から③を繰り返して全ての3Dデータを登録します。

3.メインフォルダライブラリのパスの関連付け方法

プロジェクトのメインフォルダに作成したライブラリをKiCadで使えるようにライブラリのパスを関連付けする方法を説明します。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 01.jpg

① ライブラリのパスを関連付けする専用の相対パスを作成します。メニュー画面で設定(P) – パスを設定(C)を選択します。

② “パスを設定”ウィンドウが開きます。ここで任意の相対パスを登録します。

  例:KICAD_MY_FOOTPRINTS:フットプリント用相対パス
    KICAD_MY_SYMBOL:シンボル用相対パス
    KICAD_MY_3D_DATA:3Dデータ用相対パス

③ 次にメニューバーの”設定(P)” – “シンボルライブラリを管理(S)…”を選択します。

④ “シンボルライブラリー”ウィンドウが表示されます 。”プロジェクト固有のライブラリー”タブを選択して、回路図レイアウトエディタ(Eeschema)で使用しているシンボルを相対パスで登録したシンボル用パスからすべて登録します。すると、自動的に以下のように相対パスで表示されます。

⑤ 同様にフットプリントも登録します。メニューバーの”設定(P)” – “フットプリントライブラリを管理(F)…”を選択します。

⑥ “フットプリントライブラリー”ウィンドウが表示されます 。”プロジェクト固有のライブラリー”タブを選択して、PCBレイアウトエディタ(Pcbnew)で使用しているフットプリントを相対パスで登録したフットプリント用パスからすべて登録します。すると、自動的に以下のように相対パスで表示されます。

⑦ 最後に3Dデータを登録します。PCBレイアウトエディタ(Pcbnew)で3Dデータをコピーするフットプリントを選択して、右クリック – “プロパティ” を選択します。
  ⇒ フットプリントのプロパティが表示されます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 05-1024x786.jpg

 ⑧フットプリントのプロパティの”3D設定”タブを選択します。
  ⇒ 3D設定が表示されます。
  ⇒ ”+” 3Dモデルの追加を選択して3Dデータを相対パスで登録した3Dデータ用パス
    から赤枠の様に登録します。
  ⇒ その他のフットプリントの3Dデータも同様にすべて登録します。

以上でKiCadのプロジェクトを他のコンピュータで使用する準備が出来ました。

4.KiCadプロジェクトを他のPCで使用してみる

KiCadのプロジェクト内にKICadのライブラリ(KiCadで使用するシンボルやフットプリントの登録データを保存するフォルダ)を設けて、プロジェクトの各データと関連付けが出来ました。以下手順にで他のコンピュータで簡単に使用出来るようになります。

① 今回作成したKICadのライブラリごと他のコンピュータの任意のフォルダににコピーします。

② ライブラリのパスを関連付けする専用の相対パスを登録します。メニュー画面で設定(P) – パスを設定(C)を選択します。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: M5_Stamp102-1024x564.jpg

③ “パスを設定”ウィンドウが開きます。ここで任意の相対パスを登録します。KICadのライブラリをコピーしたフォルダのパスを入力します。

  例:KICAD_MY_FOOTPRINTS:フットプリント用相対パス
    KICAD_MY_SYMBOL:シンボル用相対パス
    KICAD_MY_3D_DATA:3Dデータ用相対パス

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: M5_Stamp103.jpg

④ コピーしたKICadのライブラリが使用出来るようになります。

以上、おしまいです。ライブリ🙌

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