DIGILENTという会社から販売されている計測ツールANALOG DISCOVERY 2を買いました。トラ技とかでも紹介されていて、スーパー多機能な計測器です。
メーカサイトからの情報ですが、ざっとでも、こんなに機能があるっぽいです。
Analog Discovery 2の機能:
- 2ch オシロスコープ(BNCアダプタ・ボード使用時 1MΩ、±25V、差動、14ビット、100MS / s、30MHz)
- 2チャンネルのファンクションジェネレータ(BNCアダプタボード使用時、±5V、14ビット、100MS / s、12MHz)
- ステレオオーディオアンプ
- 16ch デジタルロジックアナライザ(3.3V CMOS、1.8V or 5Vトレラント、100MS / s)
- 16ch パターン・ジェネレータ(3.3V CMOS、100MS / s)
- 16ch 仮想デジタルI / O(論理用 ボタン、スイッチ、LEDを含む)
- 複数の計測器を接続するための2つの入出力デジタルトリガ信号(3.3V CMOS)
- シングルチャンネル電圧計(AC、DC、±25V)
- ネットワークアナライザ – Bode、Nyquist、Nichols 範囲:1Hz〜10MHz
- スペクトルアナライザ – 電力スペクトルとスペクトル測定(ノイズフロア、SFDR、SNR、THDなど)
- デジタルバスアナライザ(SPI、I²C、UART、パラレル)
- 2つのプログラマブル電源(0〜+ 5V、0〜-5V)。
本体価格は4万前後
オシロは価格帯が広すぎて、正直、安いのか高いのかよくわかりません。ただ、これ以上のスペックを求めると、一気に1オーダ高くなる傾向にあるので、個人で手を出せる価格で、そこそこの性能をもったものを求める人をターゲットにしてるのかと想像します。
手軽に何処へでも持ち運べ、出張先にも持っていけるので、とっさの信号計測には困りませんね。そんなシチュエーションにあまり出くわしたことがないですが…
今回の記事は、オシロとロジックアナライザの機能ぐらいは使いこなそうというのが目標です。
Waveformというソフトは使いやすい
PC上での可視化はWaveformsという無償ソフトをダウンロードします。これ結構、直観的で使いやすかったりします。
本体のデザインは、一昔前のSFみたい
レトロフューチャーチックなデザインです。サイズは8cm×8cmぐらい。狙ってるのか?そうなのか?

コネクタは電子工作でおなじみのQIコネクタ。2本だけクリップがついてるのは、後から自分が変えたからです。

便利だと思ってやったんですが、実際には、QIコネクタと直接つなげられるグラバーがちまたにはあるので、これを持っておくと便利かもしれません。

同梱しているPinoutシート。常にこれみて、作業します。なくなったらちょっとやばい。ちなみにPower Supplyは、背面の電源ジャックにACアダプタを接続しないと使用できません(5V2A)

簡単な使い方
Analog Discovery 2をPCにつないだ状態で、waveformを起動すると、下のような画面がでます。Connectionの項目にUSB表示されているデバイスを選択して、右下のSelectをクリックします。

すると、計測モードを指定する画面がでるので、オシロ機能を使う場合はScopeを選択します。

初期画面は下のようなのがでました。時間軸と電圧軸がそれぞれ10分割したプロット画面が現れます。

各機能の主な内容は以下のとおりです。

計測モードで設定できるScreenとShiftですが、下のような違いがあります。
SCREENモード SHIFTモード
下のGIFは、5Vのエンコーダ信号(A相、B相の2CH)をオシロで計測したときの例になります。200kHzのサンプリング周期で、立ち上がりの1Vでトリガーをかけています。

Addチャンネルで簡単な計算式でMathチャンネルを作ることができます。下の例は、エンコーダの信号が2つともHIGHになったときにHIGHにする信号をつくってます。

計算式で、計測CHの値を使いたい場合は、Channel1がC1, Channel2がC2で指定できるようです。

ロジックアナライザを使ってみる
マイコンから出たUART信号を計測してみます。ロジックアナライザは、下図のLogicをクリックして、計測画面を開きます。

下が計測画面です。計測開始ボタンやサンプリング設定、画面分割などはオシロの時と同じです。


UARTはマイコンからアスキーコードで
”My memo for my MCU development \r\n”
を一回だけ送信したときの測定結果が下です。オシロとロジアナの両方でとっています。ちなみにマイコンのUART TXの信号ピンに測定器のDIO0をつなげました。もちろんGNDも。



こんな感じで、文字列が狙い通りに送信できていることをロジアナを使って、確認できました。ソフトが使いやすくて、良いですね。マニュアルも英語ですが、しっかりと整備されています。
WaveForms Reference Manual – Digilent Reference
今回は、オシロとロジアナ機能を試してみましたが、他の機能やオシロの性能とかもみていくつもりです。
waveforms ばんばんざい 🙂