ブラシレスモータ制御用のドライバZS-X11BをAmazonで購入しました。今回は、これを使って、ドローン用の小型モータを動かしてみます。
ブラシレスモータの制御は難しいけど
ブラシレスモータの制御は、ブラシ付きのDCモータの制御にくらべ、ハード的にもソフト的にもはるかに複雑ですが、この基板を使えば、配線が少し増えるぐらいで、ブラシレスモータを簡単に動かすことができます。
下の基板のようにポテンショメータが付属していているので、モータの動作確認だけなら、これでスピード調整をして、すぐに実現できます。
ちなみに写真左側の太い端子がブラシレスモータと電源につながり、右下のコネクタは、ブラシレスモータのホールセンサにつながります。写真では見切れてますが、右上のコネクタはポテンショメータにつながっています。
写真でも見て分かるとおり、ハンダづけが所々イモハンダになっており、汚いです; 放熱フィンもなぜか最初から折れ曲がっていました。製品のつくりが雑で、見栄えを気にする方には、おすすめできません。
製品の仕様
製品の仕様自体は、ZS-X11A、ZS-X11B、ZS-X11F、ZS-X11H また類似品として、JYQD_V7.3Eなどがあります。
Spec
各商品の仕様を比較してみました。
ZS-X11A | ZS-X11B | ZS-X11F | ZS-X11H | JYQD-V7.3E | |
使用電圧 | 5-36V | 5-36V | 6-50V | 6-60V | 12-36V |
最大許容電流 | 16A | 16A | 16A | 16A | 16A |
最大出力 | 350W | 350W | 380W | 400W | 500W |
ホールセンサ制御 | なし | あり | なし | あり | あり |
ブレーキ制御 | なし | なし | あり | あり | なし |
ポテンショメータ | 外付け | 外付け | 基板実装 | 基板実装 | なし |
放熱フィン | あり | あり | あり | あり | なし |
おもな違いは、ホールセンサの入力ありなしと出力の違いのようです。amazonをみると商品紹介の画像でZS-X11AとZS-X11Bが両方表示されていて、仕様を混同して、販売している可能性があります。自分はかろうじて、狙い通りの商品をゲットできましたが、他のサイトから購入したほうが無難かもしれません。
ボード概要
ボードに搭載されているICをわかる範囲でまとめてみました
右画像の長方形型のICがブラシレスモータ用のコントローラICになります。おそらくjy01というものじゃないかと思いますが、定かではありません。
マイコン側でモータ制御ロジックを組み込まなくても、0-5Vの電圧信号を与えるだけで、コントローラが勝手に120°矩形波制御でもって、モータを駆動してくれるようです。
実際には、下絵のようにゲートドライバを介して、コントローラが各UVW相のMOSFETを駆動する形になっています。
回路図
実際の配線は、こんな感じで実現します。
実際の動作
下がドローン用の小型モータを動作させたときのものです。こんな小型モータなら,らくちんで回せます。
PWMで動かす
マイコンなどから速度制御するには、下図のようにPWM信号を入力すればよいです。
今回は、マイコンではなく、AnalogDiscovery2のシグナルジェネレータ機能を使って、PWM信号を生成し、ボードへ入力しました。analog discovery の任意波形発生機能の紹介記事を下のリンクに載せておきます。
下が、動作結果です。PCからPWMのDUTYを制御している様子です。モータ違いもついでにテストするため、違うブラシレスモータを使いました。
初期の回転挙動もかなりスムーズで特に問題なく、モータ制御ができています。
問題がなかった訳ではなかった
かなり簡単にブラシレスモータの制御をこのボードで実現できましたが、たまに電源供給を示す赤色のLEDが光らなくなり、モータが動かなくなる瞬間がありました。配線を取り換えてもNGで結局原因はわかりませんが、どうも電源回路が不安定なようです。
他の人の記事でも、故障率はそこそこ高いと書いてあるため、ある程度こんな不具合は覚悟のうえで購入したほうがよさそうです。
以上です。ダメ元覚悟で買えば、そこそこ使えます。