チップ部品を手はんだで実装するには、マスキングテープでまず固定するか、パッドに予備ハンダをするか。とにかくチップの位置を固定するのが面倒です。
amazonで、SMDクランプといったチップを簡単に固定する便利ツールが売っていたので、試しに購入して、使ってみました。
下が実際に届いた商品です。この構造で4400円。割高感が否めません。ただ、製品自体はしっかり作られているようです。
逆作用ピンセットのように先端部で、チップを挟むような構造になっています。
アームの長さはちょうど150mmでした。PCのマザーボードでATXクラスのサイズだと厳しくなりそうですが、普通の基板なら、問題なく届く長さです。
マイコンをハンダしてみる
QFP100pin (0.5mmピッチ)のマイコンをハンダしてみます。自分のやり方は、まずフラックスペーストを結構べた塗りしてから、マイコンをのせるので、ぬるぬるして、マスキングテープで固定しようとすると、どうしてもマイコンが滑って位置がずれることが、ままありました。
今回はツールで固定するのでまずは、ピンセットで位置を正確にだすところから、はじめます。
位置合わせが完璧になったところで、ツールで固定します。この手の挟みこむタイプのツールって、荷重をかける瞬間に、接触面に垂直に力が加わっていないと横にわずかにズレてしまうのですが…
ピタととまりました。おお。先端形状に秘密があるんでしょうか。
意味深な形してますからね。
接触の圧力もちょうどよいです。ハンダコテをあてるぐらいでは、動きませんし、微妙な位置合わせなら、押し付けたままでもピンセットで、ちょっとぐらいは調整がききます。
完成したのが、下です。うまくつきました。
チップコンデンサをハンダしてみる
次は1608(mm表記)のコンデンサチップで試します。
個人的な手はんだの実装の下限はこのぐらいです。これ以上はリフローでやります。まず、ごみにしか見えませんから。
ためしたところ、チップ部品でもがっちりホールドできました。意味深な先端形状のおかげで、写真のように右側のスペースが広くなってます。ハンダ作業がしやすいです。
ただ、マイコンにくらべると、荷重をかけた瞬間がすこし動いてしまいますね。そういう場合はピンセットを下のようにいれると、位置がきまりやすいです。
フットプリントがあってないので、あれですが、一応、ハンダしてみました。
問題なくつきました。
穴はあんま意味ない
購入した時に期待感のあった視野確保用の穴ですが、正直あんまり使いませんでした。
なぜなら、一番確認したいのは、チップ位置ですが、先端形状が下のように死角をつくってしまい確認できません。
正直、この穴の加工代分、値段さげてくれたほうが嬉しいという感じがします。そのほかの部分は問題ありませんでした。押し付ける力も最適です。
603(mm表記)サイズではどうか?
サイズ感的にはクランプできますが、写真上のようにはさんでも押し付け力がたらずに、ちょっとしたことで、チップが動いてしまいます。アクリル板を基板と重ねて、ゲタをはかせても解消しませんでした。603サイズの固定にはあまり向いてないかもしれません。
まぁそもそもそのサイズを手ハンダするケースはあまりないとは思いますが。
まとめ
個人的な意見ですが、勿論、ないよりあったほうがいいです。基板をやっとこさ製造し、この最後のハンダだけは失敗したくないみたいな時は、4000円でも払っちゃうかもしれません。
ただ、一方で値段ほど、劇的に作業を改善するものでもないっていう印象です。
にしても603は小さいですね。ピンセットでつかむだけでも違う力学が支配してるって感じます。もう一つ下の402なんてどうなっちゃうのか。