Kinetisマイコンのデバイスロックを解除する方法

Kinetisマイコンにはデバイスロック機能があり、ユーザーソフトウエアの誤動作や様々な要因によってロックがかかることがあります。一旦デバイスロックしてしまうと、デバックプローブで通信できなくなりマイコンが使用できなくなります。いろいろ調べてロックされたデバイスを解除する方法がいくつかあったので、今回の記事でまとめてみました。

2パターンのデバックプローブによるデバイスロック解除方法を説明します。

PEmicro社 Universal Multilink FX

Universal Multilink FXを使用してSWDポートからデバイスロック解除する方法を説明します。

NXP社 LPC-LINK 2 board

J-LinkのファームウェアをLPC-Link2に書き込んでJ-Linkのデバックプローブとして使用する場合のデバイスロック解除方法を説明します。こちらもSWDポートを使用してデバイスロックを解除します。

Universal Multilink FxとKinetis Recovery Toolを使う方法

Kinetis Recovery Tool ユーティリティとUniversal Multilink FX デバックプローブを使用してデバイスロックを解除します。

Kinetis Recovery Tool

Kinetis Recovery Tool ユーティリティは、PEmicro社のホームページ(https://www.pemicro.com)からダウンロードしておきます。ダウンロードするためには、ユーザー登録が必要になります。

PEmicro社のホームページでメニューから”Support” ⇒ “Documentation & Downloads” ⇒ “Utility” ⇒ “Kinetis Recovery Utility” の順で選択してダウンロードできます。

次に、以下のようにPCとデバッグプローブ(Universal Multilink FX)、評価ボード(TWR-KE18F)をUSBケーブルとフラットケーブルを使用して接続します。

フラットケーブルの接続は以下になります。

デバッグプローブ(Universal Multilink FX)

このように接続します。フラットケーブルは1番ピン側にフラットケーブルの赤色ラインがくるように接続してください。

ダウンロードしたKinetis Recovery Tool ユーティリティを解凍して、Kinetis_Recovery_Utility.exeを実行します。

“USB Multilink [U/FX/OSBDM]”を選択して”START”します。

デバイスロックの解除が成功すると”Success. Processor halted.”と表示されます。タイミングによって解除できない場合があるので表示されない場合は、成功するまで評価ボードの電源の再投入(OFF/ON)を繰り返してください。

LPC-LINK 2 と J-Link Commander Tool を使う方法

以下のJ-Link Commander Tool とLPC-LINK 2 board デバックプローブを使用してデバイスロックを解除します。

J-Link Commander Tool

J-Link Commander Toolは、SEGGER社のホームページ(https://www.segger.com/downloads/jlink)からダウンロードします。最新のJ-Link Software and Documentation Pack をダウンロードしてインストールしてください。

次に、以下のようにPCとデバッグプローブ(LPC-LINK 2 board)、評価ボード(TWR-KE18F)をUSBケーブルとフラットケーブルを使用して接続します。

フラットケーブルの接続は以下になります。

デバッグプローブ(LPC-LINK 2 board)

このように接続します。フラットケーブルは1番ピン側にフラットケーブルの赤色ラインがくるように接続してください。

インストールしたJ-Link Commander Toolを実行します。

“connect”を入力して改行します。

“?”を入力して改行します。
“Target device setting” が表示されるので接続するデバイスを選択します。
今回は、評価ボード(TWR-KE18F)で使用している”MKE18F512VLL16″のデバイスを選択します。

“Device”の項目に”mke18″と入力します。
“MKE18F512xxx16″を選択して”OK”を押下します。

以下の様に表示されるので次にインターフェースを指定します。
SWDを使用するので”S”を入力して改行します。

ターゲットボードとのJTAG/SWD接続で安定して使用可能なクロック値[kHz]を設定します。
4000kHzのままで良いのでそのまま改行します。

接続に問題が無ければ以下の様に表示されコマンドが入力できるようになります。

デバイスのロックを解除するコマンドの”unlock”と入力して改行します。
デバイスロックの解除が成功すると以下の様に表示されます。

以上でKinetisマイコンのデバイスロックが解除され使用出来るようになります。
マイコンにアクセス出来なくなって壊れたと思われる時に復活できる場合があるので、一度このデバイスロックの解除を試して見てください。

ばんざいアンロックマイコン🙌

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